[元ネタについて] 英国・ボールトンポール社製のターレットファイター(旋回機銃付戦闘機)。前方固定機銃を持たず、7.7ミリ連装の動力銃塔を唯一の武装としている。 その出来については・・・岡部いさく著「世界の駄っ作機」にで取り上げられている、ということで察してほしい。この種の戦闘機は、第一次世界大戦でそれなりに活躍をしたため、英国に限らず米国、ドイツ、ソ連、日本でも同種の戦闘機が開発されたが、だいたいの機体が「世界の駄っ作機」に取り上げられている。(もっとも、デファイアントやホットスパー以外はエンジンが非力すぎたり、そもそも機体構造に問題があったりとターレットファイターがどうの以前のところでつまづいているのだが・・・)また、日本海軍が1式陸上攻撃機で「翼端援護機」という、防御機銃を増やして編隊外周の守りに当たる機体が試作されている(そして重量増などで失敗している)のを見ると、旋回機銃というものに対する期待が大きかったのかもしれない・・・。 他国の機体があまりにもダメダメで注目を集めないせいか、この種の戦闘機が所謂「英国面」の象徴であるかのように扱われることも多い。まあ、1000機あまりも作ったのは同時期ではデファイアントだけだから「英国何考えてるんだ?」とはなるところではあるが。ちなみに、本人もそのことを気にしているのか、図鑑を最後まで聞くと快活な彼女にしては珍しい、低くドスの効いた声を出している。「おい、今私のこと笑ったか・・・?」 いま一つデファイアントが振るわなかった理由は簡単で、「重すぎたから」。同じエンジンでサイズの近いホーカー ハリケーンと比べると3割くらい重い。同じ出力のエンジンでも重いので上昇能力や運動性で劣ってしまうのである。 それでもダンケルク撤退戦ではNo.264スコードロンが65機を撃墜したりもしている。どうやらハリケーンと誤認した敵機が後方(=デファイアントの武装がいちばん役立つ場所)に飛び込んできてしまったことが原因らしい。そのため、敵機も慣れてきたバトル・オブ・ブリテンでは大損害を被ることになった。そのため、1940年8月にはデファイアントは第一線から退けられている。 しかしドイツ軍の夜間空襲が始まると、夜間戦闘機として活躍し始める。暗色の夜戦塗装に衣替えし、一部の機体はレーダーも装備した。ゲーム内グラフィックはその時代の姿と思われる。どうやら旋回機銃を斜め銃のように使うことができたためらしい。ちなみに、斜め銃とはドイツ軍や日本軍(要するに負けが込んで本土空襲されたので爆撃機を落とすのにいろいろ苦労した軍)で夜間戦闘機に装備された、斜め上へ向けて固定された機銃で、敵爆撃機の腹の下に潜り込んで敵機を攻撃するために使われたものだ。まあ、固定装備として大々的に使われたのは第二次世界大戦が初めてだけれど、COWファイターなどがそれ以前にもあったので、そのあたりから思いついたか現場の創意工夫の成果なのだろう。 やがてモスキートやボーファイターのような本格的な夜間戦闘機が配備されるとデファイアントは夜間戦闘機からも退役、洋上捜索救難機や標的曳航機として1945年の4月まで使われていた。
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